ドットマトリクスLED
本キットのLEDを見てみましょう(図1-12)。
本キットに搭載されているLEDは、砲弾型LEDと比べ少し特殊な形状をしています。これはドットマトリクスLEDと言い、64個のLEDを8×8に並べ、碁盤目に配線したものです。ドットマトリクスLEDの配線は図1-13のようになっています。
図1-13のような構造のドットマトリクスLEDは、横配線によってアノードが、縦配線によってカソードがそれぞれ8個ずつ接続されています。
例えば、図のA端子をHレベルにすると、赤色線につながれたLEDのアノードが全てHレベルになります。B端子をLレベルにすると、青色線につながれたLEDのカソードが全てLレベルになります。点灯するのはアノードがHレベル、カソードがLレベルになって電流が流れるLEDです。少し複雑に感じるかもしれませんが、キットを使いながら覚えていきましょう。
マイコンの出力端子とドットマトリクスLED
では、どのようにしてアノードおよびカソードの電圧レベルを設定し、ドットマトリクスLEDを点灯させるのでしょうか? 前ページで触れたように、マイコンの出力端子は電圧レベルをHレベル、あるいはLレベルに設定することができます。つまり、アノード、カソードをそれぞれマイコン端子に接続することでドットマトリクスLEDを制御できるのです。
ドットマトリクスLEDはLEDのアノード、カソードの両方をマイコンの出力端子に接続するので、図1-14のように4パターンの組み合わせがあります。その中でLEDが点灯するのはアノードがH、カソードがLの時だけです。その他の組み合わせでは消灯になります。
なお、本キットではLEDマトリクスのアノード側に560Ωの抵抗が付けられています。マイコンの電圧は3.3V、赤色LEDの順方向電圧は約2.1Vなので、このLEDマトリクスのひとつのLEDには約2.1mAの電流が流れることになります。
課題
メインボードのピンヘッダの3.3VとGNDを用い、ドットマトリクスLEDの4行5列目を点灯させてみましょう。
また、アノード側とカソード側の電圧の組わせを変え、アノード側が3.3Vでカソード側がGNDの時のみ点灯することを確認しましょう。
配線作業は、必ずキット本体の電源を切った状態で行ってください。これを怠ると、不用意に端子を短絡して素子を破壊したり、思わぬ事故につながる危険性があります。また、半導体素子全般に言えることですが、とりわけC-MOSデバイスは静電気に弱いので、空気が乾燥して人体が帯電しやすくなる冬場など、可能であれば帯電防止用のリストストラップを装着するなどして配線作業を行うことを推奨します。
目的のLEDは点灯しましたか?
「LEDの点灯」テストで答え合わせをしてみましょう。